バスラマ 160号
(2017年2月27日発行)


定価1,471円 (本体1,362円+税)
A4判 96ページ

ISBN 978-4-89980-160-3

【主な内容の紹介】
●バス事業者訪問
193
遠州鉄道

 遠州鉄道は浜松市を本拠に市内および周辺の広いエリアで路線バスを、また鉄道線も運行する事業者である。同社は戦時統合で地域事業者が合併して誕生したが、ルーツは明治末の鉄道事業者に遡る。事業者訪問にはNo.49(1998年)以来の登場となる。
 浜松市は1997年に全国で初めてオムニバスタウンに指定され、停留所やバスロケーションなど利用環境の改善が進むとともに、遠州鉄道はノンステップバスの積極導入を進めてきた。近年は乗客サービスやITシステム、カードシステムの導入なども進めて使いやすいバスを目指し、また空港連絡バスや高速路線バスへの参入など、需要の掘り起こしを図っている。また安全運転訓練車の導入など、安全運行や人材育成にも力を入れている。
 19年ぶりの再訪となった遠州鉄道の現在を紹介するとともに、多彩な保有車をアルバム形式でご紹介する。

●特集 トヨタコースターが一新!
No.159で速報したように、トヨタ自動車の小型バス・コースターが24年ぶりにフルモデルチェンジし、1月23日より発売された。今号では新型コースターを特集し、開発者やデザイナのインタビュー、試乗レポートをお届けする。
◆開発者が語るコースター
新型コースターは2016年4月に発足したCVカンパニーにおける初のフルモデルチェンジ車である。コースターはバスとして見れば世界最大の量産車だが、乗用車と比べると生産台数は少なく、モデルライフは長い。その中で24年ぶりのフルモデルチェンジを果たした背景には、快適性の向上、さらに最新の安全基準への適合などがあった。新型ではシャーシー関係は熟成が進み耐久性、信頼性に定評のある先代を活用する一方で、ボデーは全くの新設計として剛性が高く、かつ室内空間が広い構造を実現した。
◆デザイナーが語る新型コースター
 新型コースターは「モダンに、タフに、そしてより上質に」進化した。定評のある車両のモデルチェンジは、一般に通常の改良よりも難しいと言われる中で、トヨタの中で最大サイズであり、次世代小型バスにふさわしい長持ちするデザインを目指した。また寸法面で様々な制約があり、さらに世界各国特有のバスの要件を満たす必要性がある中で、エクステリア・インテリアともにいかに見栄えの良さや使い勝手を実現するか力が注がれた。
◆試乗レポート 高速&一般道で新型コースターに乗る
 フルモデルチェンジした新型コースターに高速道路&一般道で試乗し、高いボデー剛性と優れた操縦安定性を実感した。新型コースターのデザインの印象、運転性能、使い勝手などをお伝えする。
◆日野自動車に聞くOEM車・リエッセII
 日野自動車はコースターのOEM供給を受けて「リエッセII」として展開している。ユーザー層はコースターとは異なり営業車で使われる比率が高く、日野では商用車メーカーとしての立場からトヨタにユーザーの要望等をフィードバックしてきた。新型リエッセII発売にあたり日野自動車に取材し、新型リエッセIIの営業展開やフィードバックが反映された部分などを取材した。

●バスラマの台湾再訪
観光や仕事など、人の行き来が旺盛な日本-台湾。バスラマでは台湾を再訪し、日本のバス事業者と連携したバスツアーを利用するとともに、同地の事業者を訪問取材した。
◆日本で買える手軽な台北巡り日帰りバスツアー
2016年9月、台湾最大のバス事業者・國光客運汽車と日本のウィラーが提携し、台湾のバスツアーがウィラー経由で購入できるようになった。台湾取材と併せて、週末に行われる台北を起点とする日帰りコースを利用した。
◆台湾のバス事情 低床化を巡る動き
 かつては台湾のバスでは日系メーカー製シャーシーが高いシェアを持っていたが、路線バスではノンステップ化の時期に機を逸してしまい、今では中国や韓国メーカーが席巻する。その中で日野自動車からフルフラットノンステップバスが登場したが、稼働を始めた車両はまだ限られている。電気バスの普及状況なども含め、台湾の最新のバス事情をレポートする。
◆台湾のバス事業者を尋ねて
 取材では台湾・台北のバス事業者4社を訪問し、仕事の内容や様子などを尋ねた。訪問したのは、かつての公営バスTCBAを母体とする大都會客運、傘下にボデーメーカーを持つ中興巴士集団、電気バスも運行する桃園汽車客運、台湾全土を結ぶ都市間路線を運行する國光汽車客運である。
◆太魯閣渓谷に挑む電気バス
 太魯閣渓谷は台湾東海岸最大の都市・花蓮の北に位置し、場所によっては高さ200mに達する大理石の岸壁が連なる奇勝で知られている。この太魯閣渓谷の入り口にあたる新城駅から渓谷まで、路線バスが運行されている。この路線で電気バスが運行されていると聞き本誌ツアーで訪問したが、片勾配の連続で電気バスに不向きな路線環境、さらに故障が相次いだことなどで電気バスは運行を停止していた(No.153)。その路線で電気バスの運行が復活したという。新たにBYDの電気バスが導入された現場を、あらためて取材した。

●第20回バスラマ賞 今回は2つの2階建てバスに
1年間に登場したバスサービス、新車両、研究論文などの中から、本誌が利用者の立場で最も優れたものを表彰する「バスラマ賞」。第20回目の2016年は、Willer Groupの2階建てレストランバスと、はとバスが導入した新型2階建てバスのスカニア/バンホール アストロメガTDX24を選定した。

●黄色いツバメが安全を支える ジェイアール東海バスの乗務員訓練車
 JR東海バスに乗務員訓練車〈災害対策機能搭載〉が登場した。親しまれているツバメの塗装はそのままに、通常は白色の部分が、視認性が高く安全を象徴する黄色でペイントされている。JR東海バスの“乗務員訓練車”の、車内外の様子や搭載システムなどをご紹介する。

●日野ポンチョがオーストラリアで発売
 フロントエンジンの小型バスを除けば、近年は非常に限られている国産バスの完成車輸出。日野自動車から一石を投じる動きがあった。日野はこの1月から、オーストラリアで小型路線バス・ポンチョの販売を開始した。オーストラリア向けポンチョの商品概要と、発売までの経緯などを取材した。

●両備ホールディングス&関東バスの「ドリームスリーパー東京・大阪号」/東京ヤサカ観光バス 新型2階建て貸切バス導入
◆両備HD&関東バスのドリームスリーパー
扉付きの完全個室、乗客定員11人という超ハイグレードな夜行高速路線バスが、東京(池袋)-大阪(なんばOCAT)で運行を開始した。両備ホールディングスと関東バスが運行し、車両は両備グループの中国バス「ドリームスリーパー」をさらに進化させた仕様で採用された。
◆東京ヤサカ観光バスのアストロメガTDX24
東京ヤサカ観光バスで、2階建てバスのニューフェイス、スカニア/バンホール アストロメガTDX24が貸切車として初導入された。アイポイントの高さと観光バスの魅力を存分に伝えられる存在感をアピールポイントに2台が採用され、同社の看板車として、また観光バスの活性化にも貢献していく。

●運転競技会 バスコンTOKYO 第2部開催
 日々の安全運行を支える最前線のドライバーの運転技術と意識の向上を図る運転競技会が、国内各地で開催されている。バスドライバー安全運転コンテスト“バスコンTOKYO”は市街地路線バス(No.158)に引き続き、今度は第2部として貸切・高速・空港連絡部門が開催された。府中運転免許試験場を舞台に、15社24人のドライバーが競い合った。

粒よりの最新レポート、連載ほか
●現代自動車ジャパン 崔新社長に聞く 顧客との一層の信頼感を醸成し、頼られるユニバースを目指す
●濃飛乗合自動車が導入を進める“サービスボックス埋込式車載発券機”
●産官学連携によるEVバスの開発 日本自動車工業会 第10回技術発表会より
●日本から海外に、海外から日本に“バスの動き”
●ウィラーから新型シート“ReBorn”の提案
●各地の新車から 沖縄本島の新車 ほか
●新バスドライバーのひとりごと 遅延と向きあう
●海外記事 香港:香港ピーク路線向けの新型車
         韓国:路上のビジネスクラス運行開始 ほか

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