ワーキングビークルズ
83号

(2023年8月5日発行)


定価1,210円 (本体1,100円+税)
A4判 56ページ

ISBN 978-4-89980-683-7

【主な内容の紹介】

UDクオン&いすゞギガ トラクターが統合モデルに一新
 UDトラックスの大型トラック・クオンが改良を受け、6X4トラクター“クオンGW”が13年振りに復活した。UDトラックスは2021年4月にいすゞグループとなっており、新型トラクターは両社初の共同開発商品として、新型いすゞギガトラクターとしても展開される。13年ぶりに復活したクオンGWには、6年ぶりに復活したGH13型エンジンとともに、改良されたESCOT-VII型12速AMTが搭載される。新型クオンGWを詳しくご紹介するとともに、牽引状態で走行したインプレッションをお届けする。

◆いすゞ新型エルフ ディーゼル&EV 特長と改良のバックグラウンド
 3月7日にフルモデルチェンジした新型いすゞエルフは、駆動系やコンポーネント、安全システムなどを自在に組み合わせられるモジュラー設計コンセプト“I-MACS”を採用して多品種生産への対応を実現し、ディーゼル車とEVを同時にラインアップした。いすゞにとって初物となった量産型EVの開発や、新開発された9速AMT、30年ぶりに一新された標準キャブ骨格など、新型エルフシリーズをいすゞ自動車に取材した。

◆三菱ふそうeCanter続報

 近代的な小型量産トラックとして世界のパイオニアとなった三菱ふそうeCanterが第二世代へと進化し、この3月から販売が始まった。新型eCanterは駆動系にeアクスルを採用するとともにラインアップを大幅に増やしている。本誌ではこれまでもeCanterに関する様々な話題をお届けしてきたが、今号では新型モデルの各部に採用された新機軸や改良点について、その背景やねらいを三菱ふそう開発担当者に取材した。
 また関連記事として、5月に新明和工業、極東開発工業、モリタエコノスから相次いで発表された、新型eCanterベースのごみ収集車をご紹介する。

◆ZFの新技術 CeTrax Lite
 いすゞエルフEVの駆動系には、ドイツのコンポーネントサプライヤーZFが供給するセンタードライブ式電動駆動系“CeTrax Lite”が世界で初めて搭載された。このコンポーネントは車両メーカーが独自に複雑な設計をせずとも完成した電動駆動系を搭載できることがメリットであり、ZFジャパンでは2019年にCeTrax LiteプロトタイプによるコンバージョンEVを試作している。

商用汎用EVプラットフォームの提案 ZF Enerlity
 ZFと伊藤忠商事、パワーエックスは5月に合同発表会を開催し、新たな商用汎用EVプラットフォーム“Enerlity”や車載バッテリーのリユーズ・リサイクルによるエコシステム、商用ユーザー向け充電システムなどの提案を行った。

◆イベントレポート
 「アフターコロナ」の現実化とともに、オンライン化や規模縮小を余儀なくされていた各種イベントがコロナ禍以前の賑わいを取り戻しつつある。2023年に開催された4つのイベントから、商用車の話題をお届けする。

・東京国際消防防災展2023の会場から
 6月15日から18日にかけて、5年に一度行われる国内最大級の消防・防災の展示会「東京国際消防防災展2023」が開催された。このイベントは消防・防災の最新技術紹介に加え、広く一般に向けて防災の啓蒙を図るねらいがある。今回は325社・団体が参加し過去最大規模となった。会場に出展された多彩な消防車から、メーカーの最新車や在日米軍などの各種消防車をご紹介する。また保存された歴史的車両も併せて取り上げる。

・CSPI-EXPO〈建設・測量生産性向上展〉〉
 5月24日から26日にかけて、建設業界・測量業界の最先端技術が一堂に会するビジネスショーCSPI-EXPOが開催され、402社が最新鋭の建設機械やサービスなどを出展した。建機とトラックの双方を出展したボルボは、FHトラクターの2023年モデルを初公開した。

・人とくるまのテクノロジー展
 5月24日から26日にかけて、最新の自動車関連技術や素材、システム等が展示される技術展示会・人とくるまのテクノロジー展が開催された。会場に展示された様々な話題の中から、商用車や電動駆動系を中心にお伝えする。

・フューネラルビジネスフェア
 6月20・21日の両日、葬祭サービス事業関係者を対象とするビジネスショー・フューネラルビジネスフェアが開催された。霊柩車は4社が出展し、うち1社は実車を展示した。出展各社に、最新の霊柩車のトレンドを取材した。

◆ヤマト運輸など4社で燃料電池トラックが実証運行開始
 ヤマト運輸、アサヒグループジャパン、西濃運輸、NEXT Logistcs Japanの4社で、水素燃料電池トラックの実証運行が始まった。ヤマト運輸では実証実験の開始にあたり、羽田クロノゲートベースで車両のお披露目を行った。

◆相鉄ローゼンの移動スーパーに小型EV ELEMOが登場
 相鉄グループのスーパーマーケット・相鉄ローゼンの移動スーパー“ローゼンGO”2号車に、HW Electroの小型EV ELEMOが起用され、6月から稼働を開始した。

◆トランスポーターズ トヨタ自動車のはたらくくるま企画展
 トヨタ博物館では4月28日から7月19日まで、企画展「トランスポーターズ 日本の輸送を支え続けているモビリティ」を開催した。同館が大人向けの企画展で“はたらくくるま”を中心に据えたのは初めてである。特別展には日本の輸送を支えてきたオート三輪や小型・大型トラック、ライトバン、ウォークスルーバンなど13台が展示された。

◆THE TAXI タクシーもいよいよEVの時代
 全国各地でEVを採用するタクシー事業者が増えつつある。
飛鳥交通の日産リーフ
 東京・神奈川・埼玉でタクシー2,100台あまりを運行する飛鳥交通グループは、今夏までにEVを180台導入予定である。5月にEV導入第一陣40台による出発式が開催された。
宝交通のテスラモデルY
 名古屋市の宝交通が日本のタクシー事業者として初めて、通常のタクシーとしてテスラモデルYを導入した。同社は現在テスラモデルYを計10台運用している。

《粒選りの話題から》
・住友ゴムがタイヤ製造に水素を導入
・日野と三菱ふそうが経営統合へ
・日野車の認証不正に関する排出ガス規制記号・重量税の変更について
・ボルボ・トラックの話題〈菱中海陸運輸/キャリオン〉
・SUBARUビジターセンターの商用車
・フォロフライの電気トラックが稼働開始

《連載》
・新・はたらくくるまこの1台(50) マツダ初代タイタン
・Working Vehicles Museum 趣味の“はたらくくるま”  イギリスで一世を風靡した蒸気トラック

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